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経過報告でもない何か。
菫 :それで、結局決まったの?
シュレ:何も。
菫 :またそんなことを言って…作るには作っているのでしょう?
シュレ:作っているのかもしれないし作っていないのかもしれない。
残念なことに、僕は想像を廻らすことはできても新たな秩序の創造ができない。
…この世界に在って日々生まれる『歴史』を追うので精一杯さ。
菫 :だからって諦めるのはどうかと思うわ。
シュレ:うーん、諦めるのとはちょっと違うかな。ただ確約はできない、と言っておくよ。
正直、今の僕に「作っている」という感覚はないからね。
まぁ、物事の始まりなんてそんなものかもしれないけれど…
菫 :……。
シュレ:ただ一つ分かっているのは、ちらばる論理を拾い集めて、
いつかそれが完成した時、そこに僕はいないってことかな。
菫 :僕は、って…。
シュレ:此処に在る僕らは、他と違って個を与えられてはいないからね。
例えば二次元が三次元を覗くように、三次元が二次元を覗くように、
傍らに在ったとしても、決して僕等が行き交うことは無い。
そう、全ては飽くまで人形(ひとがた)を借りた、他愛も無くありふれた物語――…
菫 :それが今、考えられる形なの?
シュレ:おそらくね。
菫 :もう、またはぐらかす…。はっきり言えることは無いの?
シュレ:残念ながら、
シュレ:全ては『 此処でない世界にいるひと のみぞ知る』んだ よ。
シュレ:――ついでに言うなら、理論の構築も苦手なんだけどね。
矛盾は十八番とでも言うべきレベルかも。
菫 :……本当にそれ、できあがるの?
シュレ:こればかりは本当に『神のみぞ知る』んだと思う…
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